幽玄なる夜能【蝋燭能】 |
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2017年 11月 18日
11月17日(金) 19:00~ 大濠公園能楽堂にて
狂言:隠狸(かくしだぬき) 蝋燭能:葛城(かづらき)(※葛の文字は常用漢字でないためか本来の字が出てきません) 先日、木月晶子氏による事前講座へ行ってきた、当公演へ。 木月晶子 (観世流シテ方) 野村万禄 (和泉流狂言方) まずは狂言で、野村万禄さん(主人)と、吉住 講さん(太郎冠者)による、おもしろい隠狸という演目。二人とも、本当に発声が素晴らしく、生の大きく通る声で、おもしろいお芝居を見せてくれました。 以前、野村萬斎さんの狂言を何度か観たことがありましたが、その時のような言葉が出てきて、ちゃんとした意味は分からなくとも、時に笑いを伴い、楽しいものでした。 休憩が入り、後半の蝋燭能にむけ、舞台の周りにある ろうそくに、火がともされました。 いよいよ、楽しみにしていた能舞台。会場の灯りがすべて消され、舞台上の小さなライトの他には、ろうそくの灯りのみでの幽玄な雰囲気ではじまりました。 事前に講座を受けていたのでその内容を思い出しながら。里女と葛城の神を演じるシテ方、木月さんのほかに、山伏、同行の山伏、里人が登場。そして笛、小鼓、大鼓、太鼓、それに地謡の方が5人と後見2人。総勢15名の方々による舞台。 私はこの演目の深い内容まではよく分かりませんが、事前講座が鑑賞の助けになりました。 まず 舞台にいる方全てが、一縷の隙もなく、統制された格調高い技能を持っておられる事に驚き。観る者にも高い集中をもたらしてくれ、静かでありながら内に秘めたものを感じる、素晴らしい舞台でありました! 里女として、このチラシの写真の装束で現れる、木月さんの舞。そして後半に葛城の神として現れた木月さんの舞。その神秘的で美しい舞には、本当に目を見張るものがあり、大きな感動を覚えました。この物語では、この女神は醜いとされているそうですが、特に後半、非常に美しい装束をまとい、女神として現れたその姿は、面(おもて)もどう見ても綺麗で、その所作や舞は、素晴らしく神々しいものでした。最後明け方近くなり、姿を隠す時の姿は憂いを伴い、これまた心惹かれました。 木月晶子さんの声も、おもてをかけているというのに、とてもよく通る美しい声で、それにも心打たれました。そしてとにかく舞の素晴らしかった事!他の演者の方々の声や、楽器の演奏もすばらしく、この能楽の世界に感銘を受けました。生で味わう幻想的な別世界のようでした。 ところで後見として出ていらした方のお顔、どこかで見たような気がしていましたが、私が夏の花火大会の時に見逃してしまった「花月」という演目で、シテを演じられた多久島法子さんでした!私はチラシでしか見ていませんが、いつか彼女の舞も見てみたいです。 会場にあったチラシの中で、気になる公演もありますし、これから時々、能楽の舞台を観に行きたいと思います。 夜の大濠公園。冷んやりとした空気も心地良く感じる晩秋の一夜。
by klavier1022
| 2017-11-18 15:38
| 能楽、狂言
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