九響定期/ヴェルディ生誕200年記念「レクイエム」 |
九州交響楽団 第327回定期演奏会
指揮:ゴロー・ベルク
合唱:九響合唱団、他
合唱指揮:横田 論
ソプラノ:大隅智佳子
ア ル ト:清水華澄
テノール:井ノ上了吏
バリトン:久保和範
コンサートマスター:近藤 薫
まず開演前のロビー・コンサートでは、ワーグナーが好んだというチューバと、ヴェルディの曲で使われるチンバッソとの聴き比べが行われたり、金管(トランペット、トロンボーン、チンバッソ)のアンサンブルでの演奏が行われました。面白い形のチンバッソという楽器は、私は初めて見ました。そして金管楽器って、イメージしたよりもずっと柔らかくてふくよかな音がするのだなと思いました。
さてこの曲は「怒りの日」のところが、やっぱり大迫力で印象的です。最後の審判、裁きの日を迎える時の畏れが感じられる場面が散りばめられているので、同じくイタリアの、天才芸術家ミケランジェロの「最後の審判」のフレスコ画を思い起こしたりしました。
でも罪の許しと、死からの救い、永遠の安らぎを祈り、神への賛美を力強く歌う、ドラマチックな作品に感じられます。この曲、私は生演奏で聴くのは初めてでした。
ゴロー・ベルク氏の指揮による九響の演奏も、熱い気持ちの入ったものに感じました。そして歌のソリストの中でも、私は特にソプラノの大隅さんの声が好きでした。ブレが無く遠くまでまっすぐに届くような美しい声。あんな風に歌えるのって、気持ちよいだろうなぁ。
終演後、いつも出口で九響の有志の方々が笑顔でお見送りをして下さるのも嬉しく、この日も幸せな気持ちで一日を終えました。