Liszt の小品 |
この曲は何度も聴いていたものの、以前まであまり良さが分からず、特に気に留めてはいませんでしたが、音を出してみて初めて、この曲の出だしの、二小節の音階というか和声が、ベルクのピアノソナタにすごく似ていることに気付き、エマールのリサイタルでも、CDでも、この曲の後に、ベルクのあの曲を弾いた意味が、やっと分かりました(気付くの遅すぎ。。。)。ベルクの曲はこの曲をさらに発展させた感じだと。
エマールがこの曲について、「特別な曲」「不思議な曲」と言っていて、このような不協和音で、調性が曖昧な曲は、現代に繋がる音楽という事で取り上げられたと思いますが、さらに最後の二つのアルペジオの和声が面白いです。
この二つの最後のコードについては、「音が浮遊してどこかへいってしまう」という事で、音を鳴らしてみるとそれがより実感でき、この曲の不協和音が、心地よくなってきました。このようなリスト晩年の小曲も、なかなか味わい深いものです。(動画のドイツ語を訳して下さったミッチさん、ありがとうございました!)
同じく晩年の小品の一つに、「夢の中で」"EN RÊVE" というNocturne がありますが、次にやってみたい曲です。(私にも挑戦できる貴重なリストの曲でもあります。)
リストのピアノ曲は、題名がフランス語になっているものが多いので、今日のフランス語教室で、いくつかの曲名の発音を、先生に聞いて確認させてもらいました。それにしても、リストは何ヶ国語話せたのでしょうか?住んでいたのは主に、ドイツ、フランス、イタリア、そしてハンガリー、だと思いますが、ちょっと気になってしまいます。
それからリスト研究家でピアニストのレスリー・ハワードは「ドビュッシーもこの曲を敬愛していた」と書いています(しかし不思議なのはドビュッシー存命時はこの曲は未出版だったと思うのですが・・・)。
やっぱり特別な曲であるのは間違いないですね!
こんばんは☆また非常に興味深いお話を、どうもありがとうございます!野本由紀夫さんの言われるスクリャービンの神秘和音、素敵な響きですね。
そしてドビュッシーもこの曲を敬愛していたとは!ドビュッシーは、晩年のリストに何度か会っていますので、もしかしたらリスト本人による演奏を聴いたのか、あるいはリストの弟子による演奏を聴いていたのでしょうか?何だか想像が膨らみます。本当に特別な曲なのですね!
そしてこの曲のドイツ語レクチャーを、ミッチさんが訳して下さったお陰で、不思議なこの曲の魅力に、遅まきながらやっと気づくことが出来ました。本当にありがとうございます!!