リスト:詩篇「深き淵より」と「死者の追憶」 |
この中の、Disc.17 は、ピアノと管弦楽のための曲3曲で、ハーグ・レジデンティ管弦楽団(ジョージ・ペーリヴァニアン指揮)に、ピアノがルイ・ロルティ。多分今まで聴いたことの無い曲ばかりでした。
・呪い
・ベルリオーズの「レリオ」主題による交響的大幻想曲
・詩篇「深き淵よりわれ汝を呼ぶ」(De profundis)
どれも、ロルティのピアノが際立っていて、ピアノ協奏曲以外にもこんないい曲があったのだなぁと思って聴いていたら、詩篇「深き淵より」の中で、リストのピアノ曲 ”詩的で宗教的な調べ”の第4曲目「死者の追憶」(大好きな曲)の中に登場するフレーズが出てきました。
まず、58小節~61小節の Recitativo ・詩篇130篇の詩の一部が記されています。(ラテン語)
そして特に大好きな箇所 ↓ 85目小節~
「深き淵より」では、調も違っていたり(一音高い)、多少アレンジが変わっていたり、途中からはオケがメロディーを奏で、ピアノが伴奏のようになっていたりする箇所もありますが、何とも美しいハーモニーです。
この 詩篇「深き淵より」は多分、”作品番号 S-121a ピアノと管弦楽のための音楽的詩篇”ではないかと思うのですが、膨大なリスト作品を全部把握するのは難しいなぁと思います。。
詩的で宗教的な調べの「死者の追憶」について、ピティナの楽曲解説にこのような記載が↓
【ピティナ 楽曲解説より引用】
死者の追憶
賛歌第129番《深き底より De profundis》を用い、この場合でもラテン語のテキストを用いている。1834年に、この元曲が、ラマルティーヌへの献辞として、リストが主催した『パリ音楽新報』の付録に掲載された。絶えず繰り返される和音を用い、グレゴリオ聖歌の朗誦が暗示されている。
という事で、「死者の追憶」が この「深き底(淵)より」を用いているのかな。
まだまだ手持ちのCDさえ、聴き進むのに時間がかかっておりますが、ひとつ一つ魅力的な曲と遭遇できるのが楽しい今日この頃です。
追記:(参考)旧約聖書、詩篇130編 1~8節(新改訳)
主よ。深い淵から、私はあなたを呼び求めます。
主よ。私の声を聞いてください。
私の願いの声に耳を傾けてください
主よ。あなたがもし、不義に目を留められるなら、
主よ、だれが御前に立ちえましょう。
しかし、あなたが赦してくださるからこそ
あなたは人に恐れられます。
私は主を待ち望みます。
私のたましいは、待ち望みます。
私は主のみことばを待ちます。
私のたましいは、夜回りが夜明けを待つのにまさり、
まことに、夜回りが夜明けを待つのにまさって、
主を待ちます。
イスラエルよ。主を待て。
主には恵みがあり、
豊かな贖いがある。
主は、すべての不義から
イスラエルを贖い出される。
以前「グレゴリオ聖歌の《深き淵より》を織り交ぜています」と説明してしまったのですが、もしかして間違いだったかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=ZoYxYfMto_0
単旋律聖歌であることは間違いないのですが、グレゴリオ聖歌かどうかわかりません。
詩篇130篇(129?)をテキストとした聖歌です。
いえいえ、それは間違っていないと思います!私の書いた記事が説明不足で、こちらこそすみません。以前のミッチさんのその記事で、この二つの曲の関連を知ったのですが、私はその時はまだ、「深き淵より」を聴いた事が無かったので、よく分かっていませんでした。そして先日やっと、リストの「深き淵より」の曲を聴いて、「死者の追憶」と同じ音型が出てきたので、ハッとしたのでした。
そして、グレゴリオ聖歌の「深き淵より」の音源のご紹介、どうもありがとうございます!私はまだ、このグレゴリオ聖歌を聴いた事が無かったのですが、正に「死者の追憶」の58小節目~からあたりを歌っているようですね!リストはこれを織り交ぜたのだと思います。
記事にも追記しましたが、そのレチタティーヴォの箇所はラテン語で、詩篇「深き淵より」の詩の一部が記されているので、間違いないと思います。グレゴリオ聖歌も教えて頂き、どうもありがとうございます!これが聴けて本当に良かったです!そしてこの部分は、「死者の追憶」にも取り入れられたのですね。
ところで、詩篇130編が、「深き淵より」の内容なのは、手持ちの聖書(新改訳)でも確認しましたが、ピティナの解説に129と書いてあるのは、ちょっと気になりました(訳が違う聖書だと129編なのか?他のテキストのことなのか?)。でも動画でも、詩篇130となっていますよね。
それにしても、リストの曲を探求するのは、色々と勉強になるし、面白いし、とても楽しいですね!
ピアノと管弦楽のための作品では、「死の舞踏」の後半が「深き淵より」になっているバージョンもありますね。
教えて下さって、ありがとうございます!
私はレスリー・ハワード全集は持っていないので、『マリーの連祷』という曲は聴いた事が無いのですが、それは聴いてみたいものです。
「深き淵より」は私もとても好きな曲なので、その部分をリスト自身がたくさん使って色々な曲を作ってくれたのは、嬉しいですね。
初めまして!古い記事でも読んで下さり、コメントを頂きまして、こちらこそ感謝いたします。私はCorkboyさんがご紹介して下さったそのCDの事は知りませんでしたが、その4曲目、大好きなDe Profundisの旋律がたっぷり堪能できるという、そのバージョンが入ったそのアルバムは、私も聴いてみたい!と思い検索してみましたら、視聴できるページがあったので聴いてみました。本当にこの好きなテーマ部が色々な楽器と奏法で出てきて、すごく良いですね!このように、共感できるとは嬉しいです!教えて下さって、どうもありがとうございます!
死者の追憶 と、デ・プロフンディス を練習されていらっしゃるのですか!デ・プロフンディスは相当に難しいのでしょうね。私は弾けるものなら「死者の追憶」も弾いてみたいのですが、やはり無理なので、pikake様が羨ましいです。(プロの方でしょうか?)