LFJ ”20世紀パリ:音楽の冒険(Aプロ)~未来の音楽家のために” |
【演奏】アンサンブル・アンテルコンタンポラン
【指揮】スザンナ・マルッキ
【曲目】ラヴェル:序奏とアレグロ
ブーレーズ:シュル・アンシーズ
(3台のピアノ、3台のハープ、3台の鍵盤打楽器のための)
アンサンブル・アンテルコンタンポラン(EIC)が、来日する貴重な機会。私はこの、たった1公演しか行けなかったけれど、とても良かったです!会場で、プログラムと一緒に、彼らのポスト・カードも貰えました↑ チケット代も安いというのに、嬉しいサービスです☆
東京のラ・フォルジュルネに来たのはこれで二回目。4,5年ぶりです。(以前は、シューベルトのピアノ曲などを聴きました。)
さてまずは、開演10分前より、作曲家・藤倉大氏によるプレトーク。EICのメンバーの一人である日本人ピアニスト、永野氏にインタービューするという形式で、主に、今公演の目玉作品である、ブーレーズの曲についてのお話。永野氏、以前ブーレーズ氏の、新しい曲がファックスで送られてきた時に、それが40~50枚くらいもあって、家の人から「ファックスが止まらない!」と言って電話がかかってきたとかの現代曲ならではの面白いエピソードや、演奏に関しての興味深いお話がありました。
藤倉さんは何年か前、ブーレーズ85歳の誕生日を祝う曲の作曲を依頼されたり(確かシカゴ響からだったかな?)、またブーレーズ氏が音楽祭で藤倉氏の曲を指揮したり、などの親交もある若き現代作曲家でいらっしゃいます。
私個人的には、このアンサンブルの初代ピアニストが、エマールだったというのが、
EIC に興味を持つきっかけでした。それも創設者である、ブーレーズに直接任命され、エマールが19歳の時から30代後半まで、18年間も在籍していました。憧れの、最高の現代音楽アンサンブルです。
まずラヴェルの曲。私はこの曲は多分、初めてかも?です。ちょっとロマンチックな幻想的な雰囲気で、短い曲だけれど、何かの情景を連想させるようなとても美しい曲でした。弦楽器、管楽器、ハープ、などそれぞれの楽器一人ずつで、絶妙のハーモニーが奏でられました。
それからブーレーズの曲。この、「シュル・アンシーズ」は、2009年にブーレーズが稲盛財団の京都賞を受賞された時に、京都で行われたブーレーズのワークショップを聴きに行ったのですが、その時もこの曲が演奏されました。その時の指揮と演奏者は日本人の方々でしたが、それをステージ上の椅子に座って聴いていたブーレーズ氏が、時々立ち上がって指示されていたような光景が思い出されます。確か私はその時の予習をするために、下のブーレーズのDVDを買っていたのだったかな。
今回、EICの演奏、音が立体的に聴こえるようで、すごく面白いと感じました。私はステージに向かって右側の席だったせいもあるかもしれませんが、一番右側のマリンバの音が特に浮き立って聴こえました。3台のピアノもスゴイ!
私はピアノ、ハープ、マリンバのどの楽器の音色も好きですが、3台ずつそれぞれのパートが上手く響き合って、素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれました。このような編成の音楽も新鮮ですし、なかなか普通では聴けない編成だと思います。
あんな難しい曲、どうやって合わせるのだろう?と素人の私は不思議にも思いますが、女性指揮者のマルッキさん、この難曲を切れ味良く明快に指揮されてて、素晴らしいと思いました。
プレ・トークでも話されていましたが、最後ピターッと音が合うところもさすがです!何てクールな演奏家たち!こういう曲をあんなにクールに演奏できるとは。とにかく最初から最後まで、圧倒され続けた約40分間でした。
ラ・フォルジュルネ・オ・ジャポン「パリ、至福の時」、私はこれ一公演だけだったけれど、至福の音楽に浸れたひと時でありました。