「来たれ、異邦人の救い主よ」 BWV659a より |
ブゾーニ・コンクールで優勝した、アレクサンドル・ロマノフスキ氏が、優勝者リサイタルにてライヴ録音したものをずっと愛聴しております。彼は一曲目に、この曲を弾いております。何とも言えない味わいのある曲を素晴らしいピアノの響きで。オルガン原曲よりもむしろブゾーニ編曲のピアノ版の方が好きになるほどです。
もう一人の演奏、マウリツィオ・バリーニ(と発音するのか?)氏の演奏も聴いています。このブゾーニ・アルバムの6曲目に入っております。
他にもYouTubeで検索したら、ホロヴィッツ氏が弾いている素敵な演奏も聴く事ができました。
これもヴィルヘルム・ケンプの編曲もありますが、私はブゾーニの編曲の方が好きで、ブゾーニ編曲の楽譜(ブライトコップ版)で譜読みしておりますが、全音版からケンプ編曲版の楽譜が日本語解説付きで出ておりましたので、昨日参考の為に買ってきました。
ブゾーニの方は、10度の和音が沢山出てくるのですが、ケンプ編の12小節などは、手の小さい人の為に、左手は低い音から8度にして、それより左手の高い音(B.C.A)を、オクターブ上の右手で取るように工夫してあったり、オクターブより広い音域の和音のところは最初からアルペジオ記号があったりされています。
(12小節目の二人の版の違い↓)
この曲は、聴けば聴くほど味わい深く、時折出てくる不協和音も美しく、この下の中間部など、聴いていて何とも言えない魅力を感じます。こんな素晴らしい曲を作ってくれたバッハ、そしてこんなに素敵にピアノ編曲してくれたブゾーニに感謝!
この曲は、「主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる」よりも、演奏は難しく(技術的には楽に10度が届く人ならばそうでもないかもですが)、また音楽的な内容も奥深く感じます。だけどすっごく好きな曲なので、気長に取り組んでみたいと思います。